私は韓国で生まれました。
幼い頃にイギリスに移住し、その後もシンガポール、中国、アメリカなど、多くの国を転々としながら生きてきました。
住む環境が変わる度に、自分を変える必要があり。
文化の違いなどによる葛藤がピークに達したとある時期に、
家に引きこもって出られなくなりました。
言葉を発しても言語が混ざり、単語にすらならない変な音を出したりして。
行動をするにも、無意識に他文化圏での習慣が混じって相手を怒らせたりして。
誰かと接することに、生きること自体への自信を無くしてしまいました。
そうした自分がまた恥ずかしくて、誰かの前に出ることが怖かったです。
自分がビジュアルノベルというジャンルに触れたのが丁度その時期で、
プレイしていく時間を通して、徐々に。
「世界にこれほど多くの物語があるのであれば。自分もまだ何かできるかも」
と思えるようになりました。
それを一つの勇気の種として、不器用ながらも今という時期にまで人生の旅を続けております。
Light.vnを作り始めたのは、その後とある時期に体を痛め、
左足と右腕を使えられず、毎日起きていられる時間がせいぜい4時間ぐらいだった時期がきっかけとなります。
「あ、大したこと出来てない人生だが、最後くらいは何か意味のあるものを残したい」
という、願望の元。
私がやろうと決めたのは、過去の自分に再起する勇気の種をくれた、
ビジュアルノベルというジャンルを作るソフトの開発でした。
人生がどれほど大変でも、どの国に飛ばされても、いつもどこかにあったのが「ゲーム」です。
人の肌がどうであれ、言葉が通じようが、学歴がどうであろうが、
皆楽しむことが出来たのもまた、「ゲーム」でした。
人との繋がりを怖がりながらも、ある意味ありすぎて大変な思いを沢山したにも、
まだ、何か残すのなら、出来るだけの人達に、よい意味での繋がりと、勇気の種になってくれる何かを残したくて作ったのがLight.vnです。
それでやっと、自分の人生も救われるのでは、という利己的な願望の元。
人生はそれぞれの形で対峙するものだと、いつの日か気づくことがありました。
自分とあう生き方もあれば、あわない生き方もあります。
ただ、少しでも人生をよく生きたいと、その際に発せられる勇気は、
どういったものであれ尊重されるべきだと思っております。
目を合わせたくない時に、一瞬だけちらっと目を合わせた瞬間。
正しいと分かってるにも躊躇してる中で、そっちに踏み出す、数センチの一歩。
そうしたあらゆる「勇気」が。
その瞬間がどれほど難しいのか分かっているからこそ、
「誰であれ、折角出せた勇気を、
その時、見失わず、形とれるようにしてあげたい」
と、Light.vnを開発しております。
その折角の勇気を、行動に移して結果に至らせた経験は、
その色が何であれ、
きっとその後、人生の何をするにも、
その人にとって何かしらの糧になるであろうという確信の元。
人生はそれぞれの形で対峙するもの。
といえば、いずれ皆それぞれの方向へまた行くでしょう。
だから尚、そうしていいように、
今を心に残る、出来るだけの思い出に。
光 (Light) に向けて、軽やかに (Light)。
いつか、振り向いた時に、自分の中にこそ、また一線の光があったという、
各自の人生への応援 (Light) になれますように、と。
「自分を、あきらめないで」
もし、また巡り合えたら、笑顔でお互いを迎えられるように。
光というのが線であれば。
時間というのが線であれば。
折角出した勇気の一線が、
創作が、己を賭して発した経験が、
これからの、今までの時間でさえ
ほんのちょっとだけ望む方向へ
創り直せますように、という
魔法を応援して。
BerserkD (炯淳:子犬)